シベリアのヒグマ襲撃事件

2011年8月13日、シベリアのカムチャッカ半島の森林で、ヒグマが男女を襲い2名が死亡するという痛ましい事件が起きた。

熊に襲われた二人

左から継父イゴール・チガネンコフさんとオルガ・モスカヨワさん19歳

この事件、実は想像を絶する前代未聞の悲惨な出来事だった。

2名を襲ったのは母ヒグマと3頭の小熊だった。

先にイゴールさんが襲われ、首の骨を折られ、頭を割られて死亡し熊に食われていた。それを草むら越しに見たオルガさんは60mほど逃げたが熊に捕まり、襲われたオルガさんは、自分が熊に食べられている最中の、絶望的な状況の中で母親に携帯電話を掛け助けを求めたのだ。

電話を受けた母親が冗談だと思ったその内容は「ママ、熊が私を食べている。ひどく痛い!、、ショックで死にそうだ!」というものだった。

同時に聞こえてくる獣の息遣いなどから、やっと現実を理解した母親は、オルガさんの近くにいるはずの夫のイゴールさんが、すでに死んでいるとは想像も出来ず電話をするが応答は無い。あわてて警察に電話をした時、マルガさんから2度面目の電話が入った。弱弱しい声で「ママ、熊が後ろにいる。戻って3頭の小熊を連れて来て私を食べている」 その電話も途切れ、最後になった電話は、最初の電話から1時間後で、熊はすでに立ち去っていた。目前の死を悟ったのだろう「ママ、もう噛まれていない。痛みも感じない今までのことごめんなさい。すごく愛している」これが彼女の最後の言葉だった。

それから半時間後、警官と父親の兄弟ら数人が現場に付いたが、目にしたのは、まだイゴールさんを食べている熊の姿と、無残な姿で死んでいるオルガさんだった。その後駆けつけたハンター6人によって、母熊と3頭の小熊は射殺された。